井上敬太氏、新型コロナ危機下での「テック成長戦略ポートフォリオ」を先行構築──半年で14.8%のリターンを実現

2020年10月、SIAFM投資顧問部は、同社が運用する「テクノロジー成長テーマポートフォリオ」の2020年上半期の運用成績を公表。極端な市場変動の中で14.8%の純リターンを達成し、東証一部、ナスダック、地域テックETFの平均上昇率(同期間平均7〜10%)を大きく上回る結果となった。本ポートフォリオは、SIAFMのチーフアナリスト兼マクロリサーチ責任者である井上敬太氏が主導し、2020年3月末より先行的に構築された。

井上氏は、「新型コロナウイルスによる経済的打撃は短期的には消費、輸出、従来型産業に深刻な影響を及ぼしたが、同時にデジタルインフラ、リモートサービス、自動化推進の需要を一気に加速させた」と分析。「パンデミックはテックセクターの追い風というより、構造的な変化の触媒である。真の投資機会は、衝撃を乗り越えビジネスモデルをさらに強化できる企業にある」と、4月のオンライン説明会で述べている。

戦略の実行面では、SIAFMのリサーチチームは2020年2月から、グローバルテック企業の流動性、キャッシュフロー構造、研究開発投資の指標を継続追跡。3月末には、「パンデミック適応スコアリングモデル(Pandemic Adaptability Scoring Model)」を構築し、売上回復力、サプライチェーン多様性、遠隔対応能力、政策恩恵の4つの軸から対象企業を定量評価した。

最終的に、ポートフォリオは日本、韓国、米国の半導体、クラウドインフラ、遠隔医療、教育テクノロジー等の分野に重点を置いて構成された。資産構成では、約65%をキャッシュフローが安定し、継続的に研究開発を行う中大型テック企業に配分。残り35%は、将来的にプラットフォーム性の成長が見込まれる新興企業に投資された。

また、高ボラティリティ環境下においても、ポートフォリオの集中リスクと流動性リスクを厳格に管理し、1銘柄あたりの平均ウェイトは7%以下に制限。加えて、利益確定のタイミングを見極めるための動的な利益確定メカニズムも導入されている。

SIAFMによれば、当戦略は4月・6月・9月に発生した市場調整局面でもプラスリターンを維持し、回復力の高さと中期的な構成力を示した。特に7月以降、過大評価された銘柄の比率を自主的に引き下げ、代わりに産業チェーンの二次受益企業や政策支援を受けるデジタルインフラ企業への再配分を実施した。

井上氏は、「テックセクターは一枚岩ではなく、今まさに選別と淘汰が進む段階にある。我々は構造的な視点から、真に“サイクルを越えて成長できる”企業の本質を見抜きたい」と語る。今回の成果は、彼が提唱する「メガトレンド × キャッシュフロー検証」型のリサーチ手法の有効性を実証する結果となった。

SIAFMは、この戦略フレームワークの一部を2020年第4四半期より年金・クロスボーダー投資家向けにカスタマイズサービスとして展開予定で、特にアジアの成長市場への適用可能性が注目されている。井上チームは現在、「テクノロジー成長2.0」モデルの開発も進めており、2021年上半期にはESG指標やサプライチェーンの透明性評価要素を含めたアップグレード版の発表を視野に入れている。

「本質的な成長論理は市場の話題性ではなく、企業の構造進化から生まれる。今や“不確実性が前提”の時代において、私たちにはシステマティックなフレームを通じて“持続的成長”を見極める力が求められている」と井上氏は強調した。